本物への探求心と繋がった縁
大手の百貨店でポップアップをさせて頂くようになり、ファッション業界が素人の私にとっては、とても学びになる機会が、百貨店のバイヤーさんや企画の方々からのアドバイスです。
SATOKAの代名詞ともなったCallaが売れて間もないころ、それに合わせるパンツを作ることを提案してくださったのも百貨店の方の一言からでした。
その中でも、SATOKAのブランド価値をより引き出すために「今よりさらに高品質のものを作るのも良いんじゃないですか」とアドバイスをくださった方が居ました。
その方は、関西圏百貨店の商品開発の方で、メゾンブランドなどのニットなどを製作するイタリアのニット業界のことも知るニットのエキスパートの方でした。
当時の私は、「高品質のもの、所謂ホンモノ」のニットを製作する概念がなく、
そもそもニットを作ることさえ念頭にありませんでした。
そんな中、当時大人気だったKateスカートに合わせていた私物のニットが上質でお気に入りだった私は、そのニットとスカートを合わせて店頭に立つことが多く、お客様からもよく、SATOKAでそのようなニットを製作してほしいと言われることがありました。
当時の私は、中国製メーカーさんとしか取引がなく、イタリアの本場のニットを作ることなんて到底不可能と思っていました。もし、ニットを作るなら、デザインニットを作りたいしな~くらいの考えしか持っていなかったのです。
ですが、銀座でのポップアップで、SATOKAのお洋服が銀座のお客様にも褒めて頂けるようになり、銀座では価格が安すぎるんじゃないか?というお客様からのお声もいくつか頂きました。
「そうか…低価格で品質の良いものもいいが、本物を求める方々もいる」
銀座でも販売を続けていくなら、そういう商品も手掛けてみたいなと思えてきたのです。
まずは私が相談したのは、取引先の中国メーカーの担当者の方でした。
そこではニットを製作することが出来ないのですが、展示会で私の好きそうなニットメーカーさんを見つけたから見てきては?と教えて頂き、ノックすることに。
(本当に私の環境は有難く、このようにファッションのプロの方々が、その時その時に手を差し伸べてくれるのです)
そのニット代理店さんを訪問し、部屋中にあるニットの数々に心を奪われた私は、
イタリアの最高級ニットを作りたいとお願いしました。(コストも何も知らないままに…汗)
そこで提案されたのが、イタリア最高級ブランド、ロロ・ピアーナ。
私はそのつややかな糸のブックやサンプルニットの肌触りに惚れ、ロロ・ピアーナの糸で作るハイゲージニットの製作を決意したのです。
先日出来上がってきたサンプル。私は惚れこみました。
それをもって、前述した某百貨店の方に見て頂きました。
そこで嬉しかったのが「よくこの工場まで辿り着きましたね」というお言葉でした。
私が選んだその工場は、イタリアでは有名で、高級ブランドのプレタも手掛ける工場だったのです。
このご縁は、決して私一人がつないだものではありません。
様々な方々のアドバイスや助けがあったから。
1人で立ち上げたブランドですが、決して一人ではない。
そう思わせてくれた出来事でした。
そのニットはこの9月、その某百貨店で新発売されます。
お客様にこの気持ちやご縁も乗せて届きますように。。。
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